ショーケースに並ぶケーキは日によって違いますが、こんなケーキが並んでいます。

ケーキをつくるという仕事
家庭での幸せな風景をつくりたいのだ。
ある日、女性のお客様が帰り際に、「このお店のショートケーキを食べたとき、何年も前に亡くなった父が、子供のころによく買って帰って来てくれたケーキの味を思い出しました。なんだか、あったかい味のするショートケーキですね。」とおっしゃってくださいました。「ありがとうございます。」と答えながら、「あったかい味」という表現が、この方がお父様に寄せていらしたのであろう愛情を感じさせて、不覚にも涙がこぼれました。
不思議な事に、このお客様のおっしゃったことは、カフェジリオのショートケーキの「生い立ち」をよく言い当てているのです。
ジリオのシェフパティシエは、東京の三軒茶屋にあったヒサモト洋菓子店というお店で修行をしていました。昭和15年に、後に日本洋菓子協会の初代会長になる久本晋平氏が、洋菓子店の先駆けとして開店した老舗中の老舗です。
東急グループが田園都市線ともに開発していった住宅地に店舗を次々と展開して大成功をおさめたお店だったそうです。
その田園都市線沿いの新興住宅都市でサラリーマンのお父さんが、会社帰りに子供に買っていくお土産として大活躍したのが、ヒサモトのイチゴショートケーキだったというわけです。
ジリオのショートケーキのレシピは、その時のヒサモトのイチゴショートのレシピなのです。奇をてらわない、素材重視の昔ながらのショートケーキ。その素朴さが「あったかい味」を作り出しているのだと思います。
こういうことがあると、本当にケーキを作る仕事っていうのは、「幸せを作る」仕事なんだなあと思うのです。
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